
呼吸療法認定士を目指しているけど、血液ガスが苦手で勉強が進まないなぁ。
合格した人はどうやって勉強していたのかな?わかりやすくポイントをまとめてほしいです。
この記事はこういった人におすすめです。
この記事を書いている私は、第26回呼吸療法認定士認定試験に一発合格した看護師です。
第26回呼吸療法認定士合格💯
— Rie @呼吸療法認定士•看護師 (@kokyuuryouhou) 2022年1月17日
嬉しい!!!!!!!!
勉強頑張って良かった!!
これからも患者さんにいい看護ができるように日々努力します✏️ pic.twitter.com/KKKrtCOIPP
私が実際に勉強して、思ったことや感想なども入れながら、読んでくれている方にできるだけわかりやすく第4章「血液ガスの理解」のまとめを紹介していきたいと思います。
少しでもこれから受験する方の参考になれば嬉しいです。それではどうぞ。
血液ガスの理解


私は血液ガスについてあまり理解できておらずとても苦手でした。試験勉強をしたことで確実に知識が深まりました。勉強していくうちに必ず理解できますので一緒に頑張りましょう。
血液ガスの正常範囲
PH:7.40±0.05
PaO₂(動脈血酸素分圧):80mmHg
PaCO₂(動脈血二酸化炭素分圧):40±5mmHg
HCO₃⁻(重炭酸イオン):22~26mEq/L
PvO₂(混合静脈血酸素分圧):40mmHg
PvCO₂(混合静脈血二酸化炭素分圧):45mmHg
PH
・7.35以下の酸性になった状態:アシデミア
・7.45以上のアルカリ性になった状態:アルカレミア
PaCO₂
・PaCO₂>45mmHg:呼吸性アシドーシス
・PaCO₂<35mmHg:呼吸性アルカローシス
HCO₃⁻
・HCO₃⁻<22mEq/L:代謝性アシドーシス
・HCO₃⁻>26mEq/L:代謝性アルカローシス
血液ガス測定の技術的な注意点
・PaO₂、PaCO₂、PHは同時測定する
・採血後、時間がたってからの検体測定は避ける。
⇒時間が経過すると、PaO₂:低下する・PCO₂:上昇する・PH:低下する。

これはよく問題に出題されるので、覚えておきましょう。
ガス交換障害を判断する指標
A-aDO₂(肺胞気動脈血酸素分圧較差)
漢字ばっかりでどういうこと・・・と思うかもしれませんが、つまり肺胞気酸素分圧(PAO₂)と動脈血酸素分圧(PaO₂)の差ということ。
・A-aDO₂の正常値:5~15mmHg
・ガス交換障害⇒A-aDO₂:20mmHg以上
・A-aDO₂は、低酸素性呼吸不全すなわちⅠ型呼吸不全の指標。
・A-aDO₂の開大は低酸素血症(PaO₂の低下)が原因。
・肺胞低換気のみでは、A-aDO₂は正常範囲に維持される。
・A-aDO₂は年齢・性差の影響を受ける。
A-aDO₂の計算式

下記のチェックポイントを頭に入れましょう!
PaO₂:動脈血酸素分圧
PAO₂:肺胞気酸素分圧
PIO₂:吸入気酸素分圧
FIO₂:吸入中酸素濃度
①まず、PAO₂を求める
PAO₂=PIO₂-PaCO₂/0.8
PAO₂=(760-47)×FiO₂ーPaCO₂/0.8
※室内気(FIO₂:21%)の場合、PIO₂=(760-47)×0.21=150となる。
②下記の式に当てはめる
A-aDO₂=PAO₂-PaO₂
つまり・・・
A-aDO₂=(150ーPaCO₂ /0.8)ーPaO₂

この式に当てはめて例題を解いていきましょう。
(例)血液ガスデータ(室内吸入時)がPH:7.40 PaO₂:70mmHg PaCO₂:40mmHg R=0.8のときA-aDO₂はいくつか。
PAO₂=150-40/0.8=100
A-aDO₂=100-70=30
答え A-aDO₂=30

室内気の場合は、PIO₂=150になりますが、それ以外の場合はPIO₂=150にならないので注意!
室内気ではない場合は、下記のように計算します。
(例)次の条件でA-aDO₂はいくつになるか。
FiO₂:50% PH:7.40 PaO₂:74mmHg PaCO₂:50mmHg
PAO₂=(760-47)×FiO₂ーPaCO₂/0.8
=(713×0.5)ー(50/0.8)
=356.5-62.5
=294
A-aDO₂=294-74=220
答え A-aDO₂=220

A-aDO₂の計算は第26回試験にも出題されていました。
最初は難しいと感じると思いますが、公式を暗記すれば解けるので頑張りましょう!
酸塩基平衡
塩基過剰(BE)
塩基過剰(BE)とは、患者のBBから正常なBBを引いた値
※緩衝塩基(BB):血液HCO₃⁻に加え、H⁺に結合していない蛋白の総量。
※BB正常値:44~49meq/L
・BEの正常範囲:0±2meq/L
・BE>2meq/L:代謝性アルカローシス
・BE<-2meq/L:代謝性アシドーシス
アニオンギャップ(AG)
アニオンギャップ(AG):代謝性アシドーシスの指標
・AG=(Na⁺+K⁺)ー(CL⁻+HCO₃⁻)

・AG正常値:10~12meq/L
・AG>16meq/L:代謝性アシドーシス
代謝性アシドーシスをきたす疾患 | 代謝性アルカローシスをきたす疾患 |
腎不全・糖尿病・副腎不全・下痢・肝硬変 急性膵炎・その他の乳酸アシドーシスをきたす疾患 | 鉱質コルチコイドの過剰(クッシング病)・嘔吐 電解質異常・利尿剤使用 |
ここで問題
代謝性アルカローシスをきたす疾患はどれか。
①下痢
②嘔吐
③腎不全
④糖尿病
⑤肝硬変

答え ②
酸素化指数(P/F比)
・酸素化指数(P/F比)=PaO₂÷FIO₂
・正常値:P/F比=400mmHg以上
※P/F比=300以下→PaO₂は60mmHg以下
<ARDSの診断基準>
・P/F比=300以下:軽度のARDS
・P/F比=200以下:中等度のARDS
・P/F比:100以下:重篤なARDS

ARDSの診断基準はよく問題に出題されます!
P/F比の計算
P/F比=PaO₂÷FIO₂
(例)PaO₂:70mmHg FIO₂:70%
70÷0.7=100
P/F比=100となるので、重篤なARDSと判断できる。
ここで問題
正常値として正しいものはどれか。
①動脈血PH:7.40±0.5
②PaCO₂:40±5mmHg
③PaO₂:80mmHg以上
④SaO2:95%以上
⑤P/F比:300mmHg以上

答え ②③④
最後に
血液ガスのまとめは以上です。
血液ガスの範囲は難しいですが、基本となるところなのでしっかり理解しましょう。
血ガスの範囲は病気がみえる「呼吸器」の絵や図を見て勉強するととても理解できたので、一緒に見て勉強するとわかりやすいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
これから受験する方の御役に立てれば嬉しいです。
本日も勉強頑張ってくださいね!
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