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【呼吸療法認定士】一発合格者が「呼吸管理に必要な生理」のまとめを紹介します

各章のまとめ
呼吸療法認定士を目指す人
呼吸療法認定士を目指す人

呼吸療法認定士を目指しているけど、呼吸管理に必要な生理の範囲が苦手だなー。

誰かわかりやすくまとめてほしいです。

この記事は、こんな人の悩みを解決します。

この記事を書いている私は、第26回呼吸療法認定士認定試験に一発合格しています。

私が実際に勉強して、思ったことや感想なども入れながら、読んでくれている方にできるだけわかりやすく第3章「呼吸管理に必要な生理」のまとめを紹介していきたいと思います。ぜひ一緒に頑張っていきましょう!

では、本題へどうぞ!

呼吸管理に必要な生理

気道の生理的役割

①加温・加湿機能

外気に温度と湿度を加えて、ガス交換に適した空気にして肺胞に送る機能。

  • 鼻腔・咽頭を通過後→温度32~34℃湿度80~90%
  • 気管・気管支を通過後→温度37℃湿度100%になり肺胞に入る

②異物や病原体の侵入阻止機能

線毛運動の働きにより、異物や病原体を体外へ送り出し、侵入を阻止する機能

③誤嚥の防止

飲食物が咽頭から食道に入る→舌が持ち上がり口腔をふさぐ→軟口蓋が持ち上がり、鼻腔を塞ぐ→喉頭蓋は喉頭の挙上に伴い下がり、喉頭口を塞ぐ=気管に食塊が落ちない。

嚥下時には声門が閉じ、呼吸運動が一時止まります。

気道抵抗

気管チューブの抵抗は、半径の4乗に反比例して大きくなる。

したがって、内径4mmと8mmの気管チューブでは、16倍の差が生じる。

<気道抵抗上昇例>

・細い気管チューブの使用

・気道浮腫

・気道内異物

・気管支痙攣など

肺コンプライアンス

「肺コンプライアンス」とは?

「肺の単位圧力変化あたりの容量変化」と定義される。

簡単に言うと、「肺のふくらみやすさ」のことを指す。

このように肺が固くなり膨らみにくくなった状態を

肺コンプライアンスが低下」している状態と言います。

肺は、肺組織の弾性繊維により、縮もうとする力が働く。それに対し、肺胞の表面活性物質すなわちサーファクタントにより、肺が縮もうとする力は軽減される。この弾性繊維による縮むとする力と、サーファクタントによる縮むのを阻害する力の2つにより、肺コンプライアンスは決定される。

胸腔内圧は、食道上1/3にバルーンを留置した食道内圧で代用する。

<肺コンプライアンスが高い>

「膨らみやすい肺」=薄いゴム風船のように縮みにくい

・肺気腫

・慢性閉塞性肺疾患

・肺嚢胞症

<肺コンプライアンスが低い>

「硬い肺」=分厚いゴム風船のように膨らみにくく縮みやすい

・拘束性肺疾患

・間質性肺炎

・肺線維症

・肺水腫

静肺コンプライアンスと動肺コンプライアンス

肺コンプライアンスには、「静肺コンプライアンス」と「動肺コンプライアンス」がある。

①静肺コンプライアンス

気道での空気の流れがない状態で測定する肺の膨らみやすさを表している。(肺の硬さの指標)

臨床での肺コンプライアンスと言えば、静肺コンプライアンスを指すことがほとんど。

※人工呼吸中に患者の換気を中断して行うため、安全ではない。

※PVCは吸気相が一定に保たれているので、静肺コンプライアンスに適している。

正常値:0.1~0.3L/cmH2O

計算方法

静肺コンプライアンス(Cst)=1回換気量/(ポーズ圧ーPEEP)

(例)1回換気量:600ml 気道内圧(ポーズ圧-PEEP):10cmH2Oの場合、

⇒600ml÷10cmH2O=60ml/cmH2Oとなります。

②動肺コンプライアンス

動肺コンプライアンスは、気道での空気の流れがある状態での肺の膨らみやすさを表している。

※静肺コンプライアンスより過小評価される

計算方法

動肺コンプライアンス(Cdyn)=1回換気量/(最高気道内圧−PEEP)

(例)1回換気量:600ml、最高気道内圧15cmH2O、PEEP:5cmH2Oの場合、

⇒600ml/(15-5)=60ml/cmH2Oとなります。

ここで問題!

肺コンプライアンスについて正しいものを選べ

①静肺コンプライアンスの正常値は、0.5~0.8cmH2Oである

②胸腔内圧の代わりに口腔内圧を用いる

③静肺コンプライアンスは肺の硬さの指標である

④静肺コンプライアンスは気流のない状態で測定する

⑤動肺コンプライアンスは呼吸数がおおくなるほど低下する

答え ③④⑤

肺サーファクタント

  • 肺胞には常に組織間液による表面張力が働いており、肺胞がしぼむ方向に力が働いている。
  • 肺胞のⅡ型肺胞上皮細胞からサーファクタント(界面活性物質)が分泌され、その界面活性効果(液体の表面張力を弱める効果)により、肺胞の虚脱を防いでいる。

<サーファクタントが十分な場合>

サーファクタントの界面活性効果によって組織間液の表面張力が弱まり、

肺胞は膨らむことができます。

<サーファクタントがない場合>

サーファクタントがないと、組織間液の表面張力によって肺胞はしぼんでしまいます。

サーファクタントの組織

①リン脂質:約80%

ジパルミトイルホスファチジルコリン、不飽和ホスファチジルコリン、ホスファチジルグリセロール

中性脂質:約10%

コレステロール、グリセリド

③蛋白質:約10%

SP-A,SP-B,SP-C,SP-D,血清蛋白(SP=肺サーファクタントプロテイン)

ガス交換に影響を及ぼす因子

肺胞の解剖生理

  • 肺胞表面積:130m²
  • 肺胞と肺毛細血管の接触面積:126m²
  • 間質の厚さ:約0.4μm
  • 血液が肺毛細血管を通過する時間:0.7秒
  • ガス交換が行われる時間:0.25秒

上記の5点はよく問題に出題されるので覚えておくと良いですよ!

PAO₂の計算方法

PAO₂の計算を始めてみたとき、ナニコレ?ワカリマセン!って感じでした(笑)

でも、一個ずつ確認して覚えていけば大丈夫です!!

私もすらすら解けるようになったので一つずつ確認してやっていきましょう!!

下記のチェックポイントを頭に入れましょう!

PaO₂:動脈血酸素分圧

PAO₂:肺胞気酸素分圧

PIO₂:吸入気酸素分圧

Rは呼吸商を表しており、通常は0.8と覚える。

健常であれば、PaO₂とPAO₂の分圧は等しくなる。

<計算式>

①まずは、PIO₂を求める。

PIO₂=(760-47)×FIO₂

②求めたPIO₂を下記の式に代入

PAO₂=PIO₂ーPaO₂/R(0.8)

①②に当てはめて、実際に例題を解いてみましょう。

例)PaCO₂:50mmHg、酸素濃度:21%の場合

①PIO₂=(760-47)×0.21=149.73

②PAO₂=149.73-50/0.8=87.23

答え PAO₂=87.23mmHg

PAO₂の計算は、第3章のA-aDO₂の計算の中でも

使用するので、しっかり押さえておきましょう!!

拡散

拡散とは、肺胞腔と毛細血管との間の分子(酸素や二酸化炭素)の移動

拡散障害がある=肺胞壁が分厚くなるとイメージしましょう!

肺胞壁が分厚くなることで、肺胞と肺毛細血管の接触時間が短縮され、

その結果、酸素化の悪化を招きます。

このようなイメージ。

間質性肺炎⇒間質の炎症により細胞壁が分厚くなる

肺水腫⇒細胞壁に水がたまり分厚くなる

ここで問題!

拡散について正しいものはどれか。

①拡散とは、肺胞腔と毛細血管の間を、分子が移動することである

②安静時の肺胞気と肺毛細血管の接触時間は0.7秒程度である

③肺胞の表面積は150m²である

④肺胞と肺毛細血管が接触している表面積は130m²である

⑤肺胞毛細血管膜の厚さは約0.4μm程度である

答え ①②⑤

換気血流比

換気血流比(V/Q比)とは、換気と血流の比を示す。

V=換気量

Q=血流比

正常値:V/Q比=0.8

<低V/Q比の場合>

シャント様効果⇒血流に比べて換気が非常に小さい

例)換気:1、血流:10の場合

換気血流比=1/10=0.1

<高V/Q比の場合>

死腔様効果⇒換気に比べて血流が非常に小さい

例)換気:10、血流:1の場合

換気血流比=10/1=10

・V=0のとき、V/Q=0となる⇒シャント

・Q=0のとき、V/Q=∞となる⇒死腔

となりますね。

シャント

シャントとは、血流は肺胞毛細血管にあるが、肺胞内に換気がないため、ガス交換しないまま心臓に還流する現象。

シャントの種類>

①真性シャント(肺内シャント)

換気がまったくなく、V/Q=0の肺胞に血液が流れる状態

②シャント様効果(肺内シャント)

換気が不十分でV/Q比が低い領域に血液が流れる状態

③解剖学的シャント(肺外シャント)

健常人でも1~2%は存在するテベシアン静脈や気管支静脈のようなガス交換に                      関与せずにそのまま左心系に流れていく血流

④生理学的シャント

真性シャント+シャント様効果+解剖学的シャントを合わせたもの

ここで問題!

シャントについて誤りはどれか。

①気管支静脈やテベシアン静脈は解剖学的シャント

②シャントが多いほど酸素化能は低下する

③シャント様効果とは、換気が不十分でV/Q比が低い領域(V/Q比<0.8)を流れる血流

④真性シャントとは、換気がまったく行われていないV/Q値が0の領域の肺胞を流れる血流

⑤生理学的シャントとは、解剖学的シャントと真性シャントを合わせたもの

答え ⑤

死腔

死腔とは、気道のうち血液とガス交換を行わない部分の事。

<死腔の種類>

①解剖学的死腔

口腔・鼻腔から終末細気管支までの部位。成人でおよそ150ml程度存在する。

②機械的死腔

人工呼吸における気管チューブや人口鼻などガス交換に関与しない部分

③肺胞死腔

肺塞栓など血流が途絶えガス交換が行われない肺胞部分。

④生理学的死腔

解剖学的死腔+肺胞死腔

生理学的死腔率(VD/VT)の計算方法

生理学的死腔率とは、肺胞死腔の代わりに肺内のガス交換障害を評価する指標

VD/VT:生理学的死腔率

PaCO₂:動脈血二酸化炭素分圧

PECO₂:呼気二酸化炭素分圧

VD/VTの正常値:25~35%

<計算式>

VD/VT=(PaCO₂ーPECO₂)/PaCO₂

酸素の運搬

血液中の酸素の状態

・ヘモグロビンと結合している酸素と血液中に溶解している酸素がある

・ヘモグロビン1分子には、最大4分子の酸素が結合する。α鎖とβ鎖が2本ずつで構成されている。

・ヘモグロビン1gあたりの酸素結合能力:1.39ml(※生体内においては、酸素と結合できないメトヘモグロビンや一酸化炭素ヘモグロビンもあるので、1.34ml/gとなる。)

ここで問題!

生体内におけるヘモグロビン1g当たりの酸素結合能力はいくらか。

①1.0ml

②1.34ml

③1.39ml

④1.45ml

⑤1.5ml

答え ②

CaO₂の計算方法

まずは、下記のチェックポイントを確認していきましょう!

CaO₂=ヘモグロビンと結合している酸素+血液中に溶解している酸素

CaO₂:動脈血酸素含有量

Hb:ヘモグロビン

SaO₂:動脈血酸素飽和度

PaO₂:動脈血酸素分圧

生体内でのヘモグロビン1gあたりの酸素結合能力:1.34ml/g

<計算式>

CaO₂=(Hb×1.34×SaO₂/100)+(0.003×PaO₂)

(例)SaO₂:98%、PaO₂:100mmHg、Hb:14g/dLの場合

上記の式に当てはめると・・・

CaO₂=(14×1.34×98/100)+(0.003×100)=18.7ml/dL

となります。

CaO₂の計算はよく出題されるので、式は暗記しておきましょう!

※Hb:7.5で貧血気味の場合・・・

CaO₂=(7.5×1.34×98/100)+(0.003×100)=10.0ml/dL

このことから、PaO₂とSaO₂が高値でも

貧血でHb値が低いとCaO₂は低くなることがわかりますね!

ヘモグロビン解離曲線

右方移動PHの低下二酸化炭素分圧(PCO₂)の上昇・体温上昇・2,3-DPG濃度が上昇
左方移動PHの増加二酸化炭素分圧(PCO₂)が低下・体温低下・2,3-DPG濃度が低下

ここはよく出るので、しっかり覚えておきましょう!

ここで問題!

ヘモグロビン解離曲線について正しい組み合わせは次のうちどれか。

①PH低下・・・右方移動

②PH低下・・・左方移動

③2,3-DPG増加・・・左方移動

④高体温・・・右方移動

⑤PCO₂増加・・・右方移動

答え ①④⑤

二酸化炭素の運搬

・動脈血100ml中に二酸化炭素は約49ml存在。

  (単純溶解:2.6ml・カルバミノ化合物:2.6ml・HCO₃⁻:43.8ml)

・酸素の体内総含有量は1.5L程度であるのに対し、二酸化炭素の体内総含有量は120Lと多い。

・全身で生産され、肺に運搬されている血液100mlあたりの二酸化炭素量は約4ml。

・静脈血は動脈血よりも多くのCO₂を運搬することができる。

「脱酸素ヘモグロビンは、酸素化ヘモグロビンよりも多くの水素イオンと結合し、

容易にカルバミノ化合物を形成するため静脈血は多くのCO₂を運搬することができる。」

と理由も関連付けて覚えると理解が深まります!

ここで問題

二酸化炭素の運搬について誤りはどれか。

①動脈血100ml中に二酸化炭素は49ml溶存している。

②末梢から運ばれるCO₂はHCO₃⁻の形で移動する

③末梢から運ばれるCO₂の一部はカルバミノヘモグロビンの形で移動する

④全身で産生され肺に運搬されている血液100ml当たりの二酸化炭素量は約4mlである

⑤動脈血は静脈血よりも多くの二酸化炭素を運搬することができる

答え ⑤

呼吸中枢

延髄呼吸中枢

・呼吸中枢とは、PaO₂、PaCO₂、PHの情報を受け取り、呼吸全体をコントロールしている機構

・呼吸中枢は延髄網様体に分布する

中枢化学受容野と末梢化学受容野

ここはよく問題に出題されるのでしっかり覚えておきましょう!

その他の末梢受容体

存在部位と受容器の反応を表にまとめました。

存在部位反応
肺伸展受気道平滑筋過膨張を感知すると迷走神経を介して呼吸中枢に指令が行き、吸息を抑制し、呼息を促進する。(へリング・ブロイエル反射)
刺激受容器中枢気道の粘膜内や粘膜下気道内異物等の刺激によって興奮し、咳、くしゃみ、咽頭痙攣や気管支痙攣をおこす。
肺C線維末端
(J受容体)
肺毛細血管近傍肺水腫やガス吸入などの刺激を感知し、呼吸促進、呼吸困難感を引き起こす。

最後に・・・

最後まで読んで頂きありがとうございます。

今回のまとめの範囲は、「病気がみえる」の図を見ながら

勉強するととても分かりやすかったので良ければ参考にしてください!

この記事が少しでも受験する方のお役に立てれば嬉しく思います。

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では、今日も勉強頑張りましょう★

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